日向の読書手帳

毎日好きな本について紹介してます。

No.2:「ニキの屈辱」

 

こんばんは。

ヒナタです。


昨日がはじめての

ブックレビューだったのですが、

さっき見たら

何書いてるんだって思いました。

文を書くことの難しさを

痛感しています。


今日は名古屋に面接に

行っていました。

まぁ観光とかする時間はなかったので、

名古屋独特の雰囲気を味わってきました。

良いですよね、

ご飯屋さんの通りとか、

夜のお店の集まったビルとか、

空気だけで楽しくなります。


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それでは、

今日紹介するのは


山崎ナオコーラ「ニキの屈辱」


です。


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~No.2:「ニキの屈辱」~

 

 

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加賀美は写真家を目指し、

憧れの人気写真家ニキの

アシスタントとなった。

 

一つ年下のニキは

若き女性写真家として活動しており、

アシスタントの加賀美に対して

絶えず命令口調で傲慢である。

 

加賀美は公私ともに振り回される。

だが、その中で二人は

付き合うこととなる。

そして、仕事の顔とは全く別の

恋に不器用なニキを知ることとなる。

 

芸術家同士の恋愛で

格差のある二人の揺れる姿を描く。

 


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加賀美はずっと

差別に興味がありました。

この差別は人の間の

優位性としての意味です。

加賀美とニキの間の差が

読んでいくごとに感じられます。

 

やはり下の者の方が

体感することは多く、

加賀美は一歳年下のニキとの

関係性や社会的立場の違いを意識して

日々を送っています。

 

この差は芸術家の二人の間だけでなく

一般的な男女の間にも

多かれ少なかれ存在すると思います。

例えば、

会社員の夫を持つ専業主婦、

年収が夫よりも高い妻、

友達の多い彼氏と友達の少ない彼女、

 


そういう差は

尊敬できる部分でもあり、

歪みを生むものでもあります。

芸術家同士の恋愛では

その差が意識されやすいのかもしれません。

 

 

そしてニキの不器用な恋愛の姿が

芸術家としての彼女との違いからか、

妙に生々しく、

恋していることが

伝わってくるようでした。

 

また加賀美の心境が

恋をして変わること、

恋が終わって変わること、

納得させられるけれど

なんだか寂しいような感情になりました。

 

 

私はこの物語を読んで、

恋の始まりも終わりも一つではなく、

当人同士でしか分からない空気感があると思いました。

 

やはり第三者から見ると、

あの時こうしていれば、

もっとタイミングが違えば、

と思うことはあります。

 

ですが彼らの恋が終わったのは

その一時的な事柄だけでなく、

流れの中にあると思います。

 

きっと一部の行動が違っていても

結果としては別れを選ぶのだと思います。

 

 

少し詳しく内容について

伝えてしまいましたが、

一度読んでみてほしい小説です。

 

「愛がなんだ」もただハッピーエンドが

待っている物語ではありませんでしたが、

 

芸術家同士の恋愛模様

独特な空気があります。

 

なので意外な感情を二人が持っていたり、

自分とは違う感性だと認識する機会が多かったです。

 

 

その意外性みたいなものに触れるのも

この本を読む楽しみかなと思います。

 

 

 

ヒナタ